蝉のいのち [花,空,酒,獣,人...]
ぼたっと 何かが肩のすぐそばをかすめて落ちた
うげっと 思たら 蝉だった
(この季節黒いあの害虫も飛ぶので要注意なのだ)
コンクリの上に光る 茶緑色の腹
ギョっと 言った のは わたし
ジジッと 言った のは 蝉
(ババッという余裕はなかったようだ)
そして 動かなくなった
私も 駅急ぐ脚を 止めた
過酷な みじかい夏 だったのかな〜
でも
精一杯 鳴いたのかなあ
ウルサイ!と疎まれても おかまいなしで
ジージージー っと
精一杯 鳴き切ったのかなあ
高校球児の短い夏が
悔いないものであってほしいと 願う私たち
その一瞬のきらめきの思い出で 一生生きられる人間は幸せ
一生をかけた 蝉のエネルギーの放出が
その余韻を楽しむことも 悲しむことも無く
最後の ジジッ で
あっさりと静かに終る瞬間を目にして
転がっている 茶緑の物体が
すごく 敬虔なものの 抜け殻に思え
踏まれないよう 脇の植え込みに運んだ
毎日のこと 大変だ大変だ〜って 思ってるけど
蝉ほどに命をかけてやしないもの
まだまだ やれる
あ〜〜〜〜〜 それにしても
この暑さは 何とかならんものか
2013-08-11 16:42
nice!(0)
コメント(0)
トラックバック(0)
コメント 0