SSブログ

蝉のいのち [花,空,酒,獣,人...]


ぼたっと 何かが肩のすぐそばをかすめて落ちた
うげっと 思たら 蝉だった
(この季節黒いあの害虫も飛ぶので要注意なのだ)

コンクリの上に光る 茶緑色の腹
ギョっと 言った のは わたし
ジジッと 言った のは 蝉
(ババッという余裕はなかったようだ)

そして 動かなくなった
私も 駅急ぐ脚を 止めた


過酷な みじかい夏 だったのかな〜
でも
精一杯 鳴いたのかなあ
ウルサイ!と疎まれても おかまいなしで
ジージージー っと
精一杯 鳴き切ったのかなあ


高校球児の短い夏が
悔いないものであってほしいと 願う私たち
その一瞬のきらめきの思い出で 一生生きられる人間は幸せ


一生をかけた 蝉のエネルギーの放出が
その余韻を楽しむことも 悲しむことも無く
最後の ジジッ で
あっさりと静かに終る瞬間を目にして

転がっている 茶緑の物体が
すごく 敬虔なものの 抜け殻に思え

踏まれないよう 脇の植え込みに運んだ


毎日のこと 大変だ大変だ〜って 思ってるけど
蝉ほどに命をかけてやしないもの

まだまだ やれる



あ〜〜〜〜〜 それにしても
この暑さは 何とかならんものか


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

Facebook コメント

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。